台湾人の国籍表記、「中国」から「台湾」に正常化 ようやく喉の骨が取れた…でも油断は禁物

台湾人が日本人と結婚して戸籍を作る際、これまでは国籍欄は「中国」と記載しなければなりませんでした。

今回の改正で台湾人の国籍欄は「台湾」と記載できるようになりました。

目次

「中国」しか認められなかった、理不尽な過去

法務局長、地方法務局長宛民事局長通達
中華民国の国籍の表示を「中国」と記載す
ることについて

昔々、日本には「外国人登録証」というものがあり、日本長期滞在中の外国人が身分証明証として使っていました。

外国人登録証には国籍欄があり、各々出身国の名前を書いていました。

ここで大きな問題がありました。台湾人は国籍を「中国」としか書けなかったのです。

1964年(昭和39)6月19日付で出された法務省民事局長による「中華民国の国籍の表示を「中国」と記載することについて」という通達が根拠になっているのです。(第177回国会 大江康弘参議院議員の質問に対する回答)

1964年といえば、日本は中華人民共和国(共産中国)を承認しておらず、むしろ中華民国(自由中国)と国交を結んでいた時代です。

時代錯誤にもほどがある!

在留カードで国籍「台湾」に!

入管法の改正により、外国人登録証から在留カードに切り替わるタイミング(2012年)で「台湾」と表記できるようになりました。

当時この変更を求めて、署名を集めて法務省に提出あいてたなぁ…

でも…戸籍はそのまま「中国」のまま。ずっと喉に引っかかった魚の骨みたいな状態でした。

それがようやく取れた…!と思ったけど、まだまだ安心できない点があります。

「台湾」が不受理⁉︎ まさかの自治体ミス

在留カードのときも、制度として「台湾」表記はOKだったのに、自治体窓口が理解してない事例がありました。

愛知県の某自治体は、在留カードの申請に来た台湾人にこんな言葉を投げつけました。

「中国にしないと受理しません!」

…え?

国の制度として「台湾」が認められてるのに??

その知らせを受けて、私が電話で問い合わせたところ、返ってきた返事は

「中国にしないと受付ない!」

「法務省にも確認済みだ!」

の一点張り。

そこで私はこう伝えました。

「某自治体では受理しないんですね」

「xx市やyy町は受理してるのにね。国の制度なのに某自治体さんだけ対応が違うなんておかしいですよね。」

すると職員はようやく誤りを認めました。

(風の噂では「台湾大使館にチクるぞ」「外務省経由でクレームくるけどええの?」って紳士的な会話があったとか無かったとか 笑)

国の制度を自治体が知らない?

これは国の決定を自治体職員が把握しておらず、不当な扱いを受ける可能性があることを示唆しています。

国の制度を扱う以上、日本の顔になるってことを窓口職員さんも分かってほしい。また行政実務に関わる方に周知徹底するようにしてほしい。

まさに「急急如律令」。(意味:この主旨を心得て、急々に、律令のごとくに行なえ)

戸籍は大丈夫? 再発防止を願うばかり

某自治体以外にも、台湾人が在留カードの国籍を「台湾」と書いて不受理したケースはありそうです。

戸籍では同じ轍を踏まないようにしてほしいな。

(紳士的な会話が必要な方はご一報くださいね 笑)

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