トマトは野菜ですか? それとも果物ですか?
ほとんどの日本人は野菜と答えますが、台湾人にとっては果物です。日本のトマトより台湾のは甘みがあります。そんな台湾のトマトの中でもオレンジのプチトマトは特に甘くて美味しい「果物」です。
前回ご紹介した「高雄一日農夫ツアー」のPart2はそんなオレンジのプチトマトのお話しです。前回記事はこちらをご覧ください。
・【ちょっとディープな台湾旅】高雄一日農夫ツアー Part1
高雄一日農夫体験ツアー
旗山糖廠を一旦後にして、車で5分ほどの農園に到着しました。周りの畑は青々とした葉っぱのカーテンがならび、その中にきらめく星のようにオレンジ色のプチトマトがあります。ここは高雄市美濃區。昔から客家人が多い地域として知られています。
プチトマトの輝きに勝るとも劣らない、はじけるような笑顔で迎えてくれたのは農園の女将さんです。彼女がいろいろな話を聞かせてくれます。
この農園のプチトマトは有機無農薬で栽培されており、ちょうどこの時期に旬を迎えます。収穫待ちのプチトマトが農園いっぱいに広がっています。試しにプチトマトに手を伸ばすと、ずっしりした重さを感じます。根元を少しひねると簡単に収穫できます。
有機無農薬栽培なので、そのまま口に運んでみると甘く爽やかなジュースのような味わいです。日本で食べるものより甘さがあり、まさに野菜では無く果物のようです。
これほど美味しいプチトマトですが、日本には流通していません。2016年の日本国内のトマト出荷量は670,200トンです。一方、輸入トマトは7383トンで、全体の1%ほどにすぎません。輸入トマトの生産国ランキングと輸入量は次の通りです。
第1位 大韓民国 3740トン
第2位 ニュージーランド 1191トン
第3位 アメリカ合衆国 1017トン
第4位 カナダ 702トン
第5位 オランダ 438トン
第6位 メキシコ 296トン
高雄市農業局の話だと、台湾産トマトが日本へ出荷できないのは検疫のためです。台湾に限らず、温暖な国から日本へトマトを出荷するには、40度に加熱処理することが必須となります。それはトマトに付着した害虫の卵を駆除するために必要な処理です。しかし加熱することによってトマトの味わいまで損なわれてしまい、売り物にならないのです。
この美味しいトマトを味わえるのは台湾だけです。特に採れたての味わいは別格です。当たり前のようにトマトは野菜だと思っていたのに、果物の顔を見せてくれます。興味をお持ちの方は、高雄一日農夫体験ツアーにご参加ください。
(つづく)